彫刻的な構築性を重視せず、実在の多様な表情を生かした立体をこう呼ぶことがあるが、元々は、シュールレアリズムが、無意識に対応するものとして作品化した物体や作品そのものを指すフランス語である。ダダイズムが、伝統的な「美」の概念を壊す一連の試みの中で、意図的にガラクタを寄せ集めて作品とした動きの継承でもある。 しかし、不良債権問題は一向に改善されず、常に先送りにされていた。まったく進まぬ改革、不良債権処理問題に、ロンドンのあるメディアは日本の体質を痛烈に批判した。「日本は不良債権を一向に処理しない。このままでは世界が日本を処理するだろう」。2002年、金融担当大臣に就任した竹中平蔵氏は、金融庁、銀行業界等が猛反発した金融再生プログラムを実行し、不良債権問題を見事に処理した。今では、完全に解決され、日本の金融は正常化している。 一方、プロアクティブな改革の事例として、小泉改革の本流郵政民営化を挙げた。2004年、郵政民営化担当大臣に就任した竹中氏は、郵政改革の法案を通し、2007年10月、日本郵政が発足した。 改革に必要な2つとは 竹中氏は、不良債権処理、郵政民営化と2つの大きな改革を実行した経験から、改革に必要なこと、2つを挙げた。「1つ目は、住宅ローンの情熱だ。熱い思いがなければ何も変えられない」(竹中氏)。郵政民営化法案の提出の際、こんなことがあったという。 法案提出の前日、自民党の幹部が当時の小泉首相のもとにたずねてきた。この幹部は、小泉首相に「郵政民営化を実現するには与党の賛成が必要になる。法案を通す、賛成するから、この部分を変更してくれ」と、法案の骨抜きを要求、凄んできた。小泉首相は即座に答えた。「わかった。否決するならしてもいい。しかし、その後、やりたいようにやらしてもらう」と、この幹部の要求を突っぱねた。 法案は参議院で否決され、小泉首相は衆議院を解散、M&Aとなった。選挙は、歴史的な自民党の勝利で幕を閉じた。郵政民営化は、「多くの困難にも動じない小泉首相の情熱があったからこそ、成し遂げられた」と竹中氏は話す。 改革に必要な2つ目として、竹中氏は「戦略は細部に宿る。戦略的思考をもって細部まで設計することが重要である」と語った。さらに「民営化には、3つの方法がある」と述べ、その重要性を説明し始めた。1つ目は、特別な役割を担う民間会社にすること。NTTがそれだ。特別な法律を作って、政府が出資する。法律と出資によって国のコントール配下に置く。2つ目は、あまり例がないが、農林中金パターン。政府による出資はないが、法律でしばるというやり方だ。法律でしばるということは、監督官庁が存在し、その官庁の天下り先になる。そして、3つ目が完全自由化だ。 郵政民営化の際、竹中 CFD は、郵政のそれぞれの事業(郵便、金融、保険)を完全自由化する方針を固めていた。抵抗勢力は当然それに反対だった。そんな中、官僚が法案の文章中に、『完全民営化』ではなく、『完全に民営化』という文言を使ってきたという。竹中氏率いる竹中チームは、これでは不十分だと気付いた。まさに戦略は細部に宿るだ。法文では、どのような文言を使うかは非常に重要である。「この2つは一見同じ意味に思えるが、『完全に民営化』では、3事業のうち、1事業だけでも完全民営化すれば十分、と解釈される」(竹中氏)と語る。 改革はそれが大きなインパクトであればあるほど、抵抗勢力が多くなり、改革の足を引っ張る。そのため、骨抜きにされないように細部にも細かな注意が必要なのだ。 日本の改革は停滞している 最後に、竹中氏は、今の日本の現状について、「消費者金融が停滞している」と述べた。世間では、郵政や道路公団民営化などで改革は終わったという風潮が出ているが、まだまだ日本にはやるべき改革がたくさんあるとしている。では何をすれば良いか。竹中氏は、「逆転の発想で海外に目を向け、海外でやっていて、日本でやっていないことを羅列すればいい」と語る。例として、「羽田空港の国際化、24時間化」「法人税の引き下げ」「小学校の英語教育」。サブプライム問題で注目を集めた「政府系ファンド」などを挙げた。 また、今の日本は、何かあれば、すぐに人や政府のせいにする傾向が強いと嘆く。竹中氏は、自分が教鞭を取る慶應義塾大学の創始者、福沢諭吉を例に出し、こう言った。「国を支えて、国に頼らず。問題は誰かのせいではなく、一人ひとりに責任がある」「だから勉学が必要。それを書いたのが福沢諭吉の『学問のススメ』だ」。さらに、「『学問のススメ』は1000万部売れた」(竹中氏)。この数字は今の出版業界を見ればとてつもない数字だ。さすが福沢諭吉と言いたいとこだが、竹中氏はこう付け加えた。「1000万部売れる本を書いた福沢諭吉はすごい。でも、それを読んだ日本国民はもっとすごい」。日本にはまだまだ潜在力があるとして、講演を締めくくった。 小泉氏の再登板はあるか? 講演終了後、質疑応答があった。1つ目の質問は、「小泉元首相の再登板はあるか」「そして、もし再登板がある場合、竹中氏は再び公職に就くか」というものだった。場内の注目が集まるその回答は、いずれも「No」だった。次は、日本の潜在力を活かすにはさらなる改革が必要だが、「それは一体誰がやるのか?」という質問。これに対して、「政治家は時々オオバケする。小泉氏も中曽根氏も最初は誰が偉大な首相になると予想したか」と答え、必ず、これらかも改革者は出てくると自信を見せた。 東京都の地場産業の一つである鉛筆製造業。江戸時代から続く伝統産業も近年、少子化や筆記具の多様化、事務機器のOA化、海外生産の増大などに伴い、軒並み苦境に立たされている。50年以上の歴史を持つ北星鉛筆(葛飾区)は約10年前に循環型鉛筆産業システムを考案し、元気を取り戻した。 鉛筆製造の木工工程では40%がおが屑として排出される。排出されたおが屑は工場内の焼却炉で燃やしたり、産業廃棄物として捨てられたりしていた。都市化に伴い市街地での焼却は難しくなり、産廃処理もコストが高い。 「焼却釜の維持・修理費用もばかにならない。良い方法はないか」−。そこで考えたのが、おが屑を圧縮し、薪のように固形燃料化することだった。固形燃料はエコマーク商品化に成功し、当初、キャンプ場などに売り込んだ。だが、需要は少なく失敗した。 「粉末にすれば用途が広がるのではないか」−。数年をかけ、おが屑をブロック状に固めた後、粉末に再加工する粉砕装置の開発に成功した。東京都から創造技術活動・経営革新などの認定を受けて事業化を推進し、木の粘土「もくねんさん」を生み出した。