美大受験の 予備校

予備校 [SFX]

スペシャルエフェクツ(特殊効果)のなまった映画の用語。従来の映画での特殊効果というのは、模型やコマ撮りの映像を合成するなどの方法によるものが多かったが、コンピューターの進化によって、より精密な効果が得られるようになったため、従来のアナログな特殊効果とは別な概念として用いられている。 樹脂部品の一メーカーが、ある製品によって国際的な企業に飛躍するかもしれない。それが静宏産業だ。ある製品とはデオキシリボ核酸(DNA)や細菌などの生物試料を保存・運搬する「NIGカード」。厚さ1ミリメートルと薄く、生物試料を効率良く保存、運搬できるのが特徴だ。サンプル出荷した国内外の大学、研究機関などから高い評価を得ている。相吉三宏社長は「市場は大きい」と期待する。 NIGカードは96個や384個など複数開けた穴の中に濾紙(ろし)を詰めてある。濾紙のサイズは小型のもので直径1ミリメートルと微細。これに試料を注入して保護シートで密封。素材はウレタンを使用し、弾力があるため破損しにくく、マイナス80度Cの冷凍保存に対応する。 同様の機能を果たす「マイクロタイタプレート」の厚さは10ミリ−15ミリメートル。同カードも培養などで抽出する時にはマイクロタイタプレートを使うが、省スペースに保管できるほか、封筒に入れて郵送することも可能で高効率だ。また同等の薄型製品もあるが、抽出時には専用パンチで一つずつ打ち抜くため手間がかかる。これに対し同カードはマイクロタイタプレートに張って遠心分離機で一度に抽出できる。 同カードの発案者は国立遺伝学研究所の外国為替の西村昭子氏。製造先を探す中で同社と出会った。OA機器用の樹脂部品メーカーの同社には畑違いの案件だが、「おもしろいと感じた。ひともうけしようという気持ちはなかったが、とにかく形にしてみたいと思った」(相吉社長)。 そこに同研究所の元教授の富川宗博氏が加わって3者で共同開発した。同社はそれまで培った樹脂のノウハウを生かし、ウレタンなどの素材選びから構造の3層化、さらに各層を高周波により溶着する技術など製造全般の研究を受け持ち製品化を実現した。穴1個のものから製造可能だ。 販社設立で事業本格化 国立遺伝学研究所などでDNAや大腸菌、酵母といった試料で試験した結果、保存安定性に問題はなかった。06年後半から国内外にサンプル出荷を開始。07年2月には同カード専用の販売会社も設立し、いよいよ事業を本格化する。「2、3年後には年間1億5000万円の売り上げが目標」(同)という。生産面は現在、試作設備のため量産体制を整える必要があるが、「投資額も大きくなるから焦らず時期を見極める」(同)と慎重ながらやる気は満々だ。 一方、樹脂部品事業も成長している。リコーを主要取引先とし、プリンターなどに使われる精密ギアやトナーカートリッジの受注が好調。そこで静岡県沼津市に新工場を年内に稼働する計画。同市内に点在する賃借工場を集約して射出成形機などの設備を増やす計画だ。外国為替証拠金取引ではNIGカードの量産も視野に入れており、「2本柱の事業で成長したい」(同)と意気込む。 穴が96個タイプの「NIGカード」 OnePoint<チャレンジでチャンスつかむ> NIGカードという成長製品を事業化できた背景には静宏産業に根付くチャレンジ精神がある。「新しいことに抵抗はない」と相吉三宏社長。同社は相吉社長が81年に設立。実は相吉社長はもともと商社マンで機械のノウハウはなかったが、農機具用部品メーカーとしてスタート。その後、樹脂部品に切り替えるが、その時も社員には樹脂のノウハウはなく、一から積み上げていった。それがNIGカードにもつながる。まさにチャレンジによってチャンスをつかんできた企業と言える。 社名であるエンバイオテック・ラボラトリーズは、エンバイロンメント(環境)、バイオテクノロジー(生命工学)、ラボラトリー(研究所)を組み合わせたもの。微生物学、免疫学、分子生物学などをコアとするバイオテクノロジーを環境問題の解決に活用する「環境バイオビジネス」を創出することを目的に99年に設立した。 環境とバイオテクノロジーを結びつける発想は、水上春樹社長が民間シンクタンクに在籍していた90年代前半にさかのぼる。水上社長は大学卒業後、臨床検査薬の研究所に勤めた後、シンクタンクに移籍。そこでバイオテクノロジーを環境分野で活用するプロジェクトに関わり「これまでの経験や人脈を生かして、自分でも環境バイオベンチャーを起こせるかもしれない」(水上社長)と思い立った。 強みは企業や研究機関とのネットワーク 事業運営には産学連携が成功のカギと考え、創業時、遺伝子研究の第一人者である筑波大学の村上和雄名誉教授に構想を打診、発起人かつ取締役として現在も同社の経営に参加してもらっている。同社はその後も大学や民間企業とのネットワークを最大限に活用して事業を展開している。 「環境バイオ」という同じ視点をもつエキスパートを研究段階からネットワーク化し、彼らが集まる場を提供。「そこで生まれた構想を事業としてプロデュースすることが当社が最も得意とするコアコンピタンス」(同)と強調する。 同社がまず取り組んだのは、医薬分野で使われている「免疫技術」を使って環境分野での診断に応用する事業だ。これにより商品化したものは二つある。 一つ目は国立環境研究所などとの共同研究成果である内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)の有無を診断するキットだ。環境ホルモンの検出にはそれまで大がかりな装置が必要だったが、同社の装置は短時間で手軽に検査できるのが特徴。二つ目は特殊なモノクローナル抗体によってポリ塩化ビフェニール(PCB)の有無を診断するキットだ。 一方、第二段階のビジネスとして、03年に汚染土壌の浄化事業をスタート。同年、全額出資の子会社を作り、土壌汚染調査や対策工事などを展開している。「プロパゲーション工法」という土壌を掘削除去せず地下の浄化ができる新しい技術を米国企業から導入し、国内では土壌汚染修復のエキスパートを集めて事業基盤を固めた。事業は順調に成長、安定した受注を得ている。 さらに05年からは第三段階の事業として、環境分野で培った技術を生かして「創薬基盤事業」を開始。医薬品として有望な化合物を見つけ出すためのスクリーニング事業を展開中だ。この事業についても、中核となる研究所の所長に大手製薬出身者を迎え、筑波大学などとの密接な連携で進めるなど、ネットワーク活用がキーとなっている。